顎関節症はマウスピースで解消されるのか?
顔・顎関節
「京都の整体げん」谷野です。
「顎関節の歪みや痛みは、歯科医院で作成したマウスピースで改善・解消されるのか?」
というお客様からの質問に「私なりの考え」をお伝えします。
歯科医院のマウスピース理論では、自律神経の乱れやうつ・気分障害などの不定愁訴の原因の1つに「噛み合わせのズレ」があり、マウスピースで顎のズレを矯正する事で、様々な不定愁訴が解消・軽減されると言われています。
ではなぜ、噛み合わせが悪いと身体や自律神経症状が発生するのかを、わかりやすく説明します。
①噛み合わせ異常は身体の歪みの原因となる
身体のバランスというのは、内耳の三半規管・目からの視覚情報で平衡感覚をコントロールしていますが、実はあまり知られていませんが下顎骨(顎関節)も「水平安定器」の役割をしているのです。
ですから、噛み合わせ異常でアゴのバランスが崩れると平衡感覚も異常をきたし、全身でバランスを補おうとするため身体全身に歪みが発生してしまいます。
その結果、首こり・肩こり・背中の痛み・慢性腰痛・身体が傾く・側弯・顎関節の痛み・顔の歪み・手のしびれ、などの症状につながっているのです。
②噛み合わせ異常は自律神経が乱れる原因となる
噛み合わせ異常がありますと、顎関節運動の支点である頚椎も歪んでしまうと「これ以上歪まない」ように防御反応から首肩の筋肉は緊張してしまいます。
その結果、脳が血流酸素不足となってしまいます。
顎関節の歪みから頭蓋骨全体が緊張してしまい自律神経をコントロールしている視床下部にも緊張が伝わり自律神経症状の原因になっています。
その結果、頭痛・めまい・耳鳴り・メニエール・不眠、などの原因になっています。
③噛み合わせ異常は精神症状の原因となる
歯とアゴを連結している組織に歯根膜(しこんまく)がありますが、歯根膜は三叉神経を通じて脳とつながっています。
噛み合わせ異常がある事で、持続的な刺激ストレスが歯根膜を通じて脳・三叉神経に伝わり、脳ストレス・精神症状の原因となっているのです。
その結果、うつ・気分の落ち込み・イライラ、の原因になっているのです。
マウスピース理論では、マウスピースを装着して噛み合わせを軌道修正することで上記のような心身の症状が解消されるとされています。
ですが、整体院に顎関節の悩みで来院される方の中には、マウスピースを1年~2年、長い人では5年~6年使用されても一向に回復に向かわなかったと報告される方がけっこうおられます。
では、歯科医院のマウスピース理論は嘘なのか?
というと、そんな事は無いです。
マウスピースで改善される方もたくさんおられると思っています。
ではここからが、私の考えです。
①「善人のエネルギー」VS「悪人のエネルギー」
②「身体に優しい薬草」VS「死に至らしめる毒草」
③「規則正しい生活習慣」VS「自堕落な生活習慣」
「善VS悪」どちらのエネルギーが強いと思いますか?
圧倒的に「悪」のマイナスエネルギーの方が強いのです。
「善人・薬草・規則正しい生活習慣」のエネルギーは、優しくゆっくり作用するのに対して、「悪人・毒草・自堕落な生活習慣」のエネルギーは強力で急激に作用してしまうのです。
わかりやすく言いますと「薬草1キロ」と「毒草0.1キロ」を同時に食べるとマイナスエネルギーの方が圧倒的に強いので死亡するという事です。
マウスピース療法で改善しなかった方に例えますと、マウスピースはプラスエネルギーですが、それ以上に、仕事での過労・精神的ストレス・頭蓋骨や身体の歪みのなどのマイナスエネルギーが強すぎると、マウスピースのプラスエネルギーだけでは回復するには到底追い付かないという事です。
ですから、「マウスピースで顎関節が改善しますか?」という質問には、「身体が元気で回復力が強ければ改善していくし、過労疲弊して歪みが強ければ改善が難しい場合もある」という答えになるのです。
どんな療法にもいえますが1つの改善法で万人に対応できるわけでは無いのです。
一番良い方法は、生活習慣を見直し、整体で身体の疲労や歪みを取りつつ歯科医院でマウスピースの相談をされるのが顎関節症改善の近道だと思っています。